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ビワイチ名物ピザ屋ファンタジスタの「今を翔ける」日記

色々なスポーツサイクルに乗ったりピザ焼いたり。

DIXNA 可変アジャスタブルチルトステム

DIXNAの 可変アジャスタブルチルトステム

トラックに使用する場合同様ロードのセッティング出しにも使える。

 



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DIXNA HTML5版WEBカタログ - 東京サンエス

この可変ステムは非常に真面目なステムだ。


可変ステムの考え方:


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 ロードのフィッティングはペダル、サドル周りがハンドルに優先する。ホビーの場合人によると思われるが、選手の場合「サドル後退量5センチ」があるのでサドル高以外の自由度はあまりない。後ろには動かせるが前へは動かせない。5センチ+検車誤差を2〜3ミリが妥当。


 ということでクリート、サドルを決めてから腰椎や背中周りの柔軟性、前後バランス、ポジションの自由度、出力と持続を考えて前周りを決める。だから、多くのフィッティングでクリート、サドル周りに時間をかける割には、ハンドル周りはハンドル幅とのかね合わせ、肩関節の負担を見て割とあっさり決まることが多い。体の柔軟性が高い高校生ならば1センチ長くて、短くて「乗れません」ってことにはならない。例えばプロならばレース中のバイク交換で自分のではなくてもフィニッシュまでは転がしていく。

 とはいえ、前周りのセッティングの重要性は高く、瞬間的に出力を出す場面と、逆に100km以上の長いレースを走る場面の両方を考えてやらないといけない。「ストライクゾーンの中でのこの好み」は「ステムの長さではなくコラムの高さ、ハンドルのしゃくり、ブラケット位置で微調整する」と良いところがみつかる。だからこそステムの長さはミニマム1センチで十分だがコラムスペーサーは2mmくらまで必要に応じて存在する。

コラムスペーサーは値段的に安いが役割は重要である。しかしコラムスペーサーを交換するとなるとトルク管理ができるメカニックに頼まないと危険である。組み付け精度が甘いとヘッド周りのカーボンを痛める危険性が高い。このステムには日々の練習の中でこの微妙な調整を探すのに安全面で最も重要なヘッドを自分でバラさせないで変更できる利点がある。


利点1:ポジションの微調整



 体の柔軟性が高い場合ジャストサイズのバイクではヘッドチューブが長くて落とせないという事態になることがある。17度のステムで最大落としても足りない。落差の大きなハンドルで足りないかシャローハンドルを使いたい。そんな場合はさらに落ちる特殊なステムを使うかこの可変ステムの登場となる。特に体の小さな柔軟性の高い選手で最小サイズのフレームであってもヘッドチューブより下に落としたい場合など。

利点2:柔軟性が高い選手の場合ヘッドよりも大きく落とせる。


落とす選手がヘッドの長いバイク供給チームへ行くとそれは大変な。

ヘシュダルはサベーロの時大変だったようで。

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手足が長いと追い込まずとも落差は必要になる。通常のポジションでは起きすぎてしまう。



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アマチュアでもビギナーでもボディジオメトリによってはけっこうイカツイバイクになる。逆にプロでも落とさないで乗る選手も沢山いる。答えは一つではない。


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この辺りは落とす系のポジションの選手のバイク


Bikes of the 2015 WorldTour - Cycling Tips


コラムは基本積んじゃダメ。コラム積むくらいならヘッドチューブの長いジオメトリを選ぶ方が良い。GDRでは「コラムを3センチ(だっけ?)以上積まないで」って言っている。トレックは選べるのがすばらしい!



 チルトするということは円を描くということ、だからその点を考慮して長さは125mmとコンマ5の余裕がある。なぜ12センチでもなく13センチでもないのかと不思議に思ったがたぶんチルトさせることを考えての5ミリなのだろう。

弱点:調整が円の軌跡を描くので大きく動かせば動かすほど近くなる。


それを解決してしまったのがこれである。


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「ああLookね」と詳しい人なら気付く。

Bicycle stem with an adjustable tilt  US 8578814 B2

Bicycle stem with an adjustable tilt US 8578814 B2

近年のLOOKのトップグレードが装着するアジャスタブルステムだが、2010年に特許出願され2013年暮れに公開された。

 このステムはただのチルトステムではなく、ハンドルクランプが変心でカラーを入れる構造なので長さ調整幅がある。LOOKのこのパテントの考え方を読み解くとハンドル周りの調整のやり方まで教えてもらったような気がして良い教材だったと思う。

「ステムの可変長は2センチあれば十分、チルトと合わせて完璧、それ以上は不要。」LOOKはこう考えた。

クランクにも同じ考えを採用するのだからLOOKは天才集団だ。


さて、では、そう考える理由は?

強度と重量バランス


トップレベルのレースで使用することを前提としていなければLOOKのレーゾンデートルはない。

"The reason of being Look cycle"



3800円のステムをテストしてLOOKが欲しくなってしまった。。。



さて話を東京サンエスのDIXNA(ディズナ)に戻そう。


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 日頃トップグレードのカーボンステムを使用していても重いと感じなかった。そんなものだ。これくらいならアタマが振って乗りにくいということはない。可変部分がコラムに近いというのが大きな理由だろう。



構造:

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片側のボルトを外して押してやるとギアが外れ簡単に調整できる。1本締めの単純構造であるが、ボルトは締め付けのみのトルクがかかりチルトを支えるのはギア。ねじれに対してもギアが役割を果たすので破損の心配はない。レース使用できる構造である。



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通常のステムの規定最大トルクは4〜5Nmくらいだが、クランプ部にはMax13Nmの文字がある。「それだけ締めないといけない」というものすごい数字だが、逆に言うと

「強度に耐えられる+この数字を導き出すための強度テストをした。」

ってことであろう。

それにもし仮に破損するような事態を想像してみたとしても壊れるのはハンドルクランプなど別の部分だろう。



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GDRのトップグレードMeteorに組んでみても「ちゃちい」ことはない。むしろ「選手のガチバイク」って凄みが増す。

良いところが出るまでこれでテストしてみたらどうだろう。


「え〜」って最初言ったが考え方とこれ↓を教えてやった。

Jサイクルツアー2010 第2戦 伊吹山大会(完成版)


「シマノレーシングの平塚吉光選手(7)がなぜ可変チルトステム(メーカーは不明Proかな?)を付けているのか」を考えてみたのだ。人と違うことをやって実力や結果で目立つというのはなんの世界でも格好が良い。


 このチルトステムは「こたつに入ったままミカンにもお菓子にも手が届く」というような精神的メタボな便利グッズではない。5倍で走り続けることを目指すために日々ポジションを考え走り込んでいる人のモガキに対応してくれるステムだ。

「何のために落とすのか、上げたいのか」考えることが重要だがそこが底なしに深い。


たった3800円のステム一つ、設計、強度計算・テスト、破壊テスト、実走テストなど・・・無駄なパーツが付いていない機材、「保険にあと数本ボルトを付けとこう」なんてありえない世界だからすごく大変だ。

そしてこの値段で真面目な機能パーツを作りだすのだからサンエスはすごい。 

(追記)選手がもがくとパキパキ音鳴りします。


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