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ビワイチ名物ピザ屋ファンタジスタの「今を翔ける」日記

色々なスポーツサイクルに乗ったりピザ焼いたり。

あの山ひとつ

12月7日:入院4日目、絶食3日目


移動した先の部屋で金曜夜半から大変だった。隣のおじいさんはステーションから脈拍など監視しているがアラートが鳴るたび看護師が走ってきて対応していた。初めてのことで驚いてほとんど徹夜になった。

もう一人のおじいさんはすごく元気だ。いつも看護師さんに「おおきに!」と言っている。威勢が良いのでかくしゃくとしておられるのかと思っていたが、実は、話がほとんど通じていないのと耳が少々遠いので声が大きくなっている。おそらく肺炎なので看護師さんはおとなしくさせたいのだが、昔を思い出してか、「がんばるぞー、負けるもんかー!」と言っている。掛け声をかけてすることはベッドから一人で起き上がることだった。

人間にはそれぞれのハードルがある。赤ちゃんはまずはつかまり立ちすることが大きなハードルだ。保育園に入ると友達の輪の中に入ること、小学生になると勉強、中学になるといじめにあわないこと、高校に入ると生きていく道を探し始め、社会に出ると自分が生きること、競争に勝ち残ること、家族にひもじい思いをさせないこと、とどんどんハードルが高くなっていくが、いつかハードルは下がっていく。手塚治の漫画にもあるが人間は年老いると逆に赤ちゃんに近づいて行くのかもしれない。

おじいさん、「排水!」と言っておしっこをしようと一人でがんばって失敗し看護師さんに怒られていたがそれでも4回もチャレンジしていた。ピットアウトするたびにクラッシュする壊し屋のレーサーと同じく、後始末が大変で担当メカニックチームが切れていた。それでもなんとか事なきを得ると笑いが聞こえていた。

人間を大雑把に二種類に分けると「アクセルが踏めない人間」「ブレーキを踏まない人間」に分かれる。このおじいさんは後者だ。そんな風に見えるから自分はこのエピソードをあざ笑うことができない。どんな状況におかれても「後一歩」と前に進もうとする気持ちが大事だと思う。どんなに遅くてもヒルクライムする根性が大事だと思う。「あの電信棒まで」「次の山をひとつ」という気持ちはチョモランマの頂を目指す登山家もベッドから命がけで起き上がろうとする老人も変わらない。ツールド沖縄では2回目の普久川ダムを登らせてもらえず帰ってきた。来年は必ず登りたい。

自分はこんな中にあって外見上何の問題もなく、顔色もよく、面会に来る方々よりもずっと健康そうに見える。ローディとしては並みの体だが、一般的な40代の方に比べるとアスリート体型だ。そんな人間がこんな中に混ざっているのがすごく不思議かもしれないが、ここでは問題の大きさでクラスタが上がっていく。この部屋はチャンピオンクラスだ。自分は装置につながれていないので血圧などは看護師さんが定時に確認に来る。夜中にも何回か確認に来てくれる。血圧がいきなり下がると危険な状態に陥ったと判断される。ただ一点だけが崩壊しかけているためにそうなっている。崩壊すると自分も即向こう側だ。夜の病室では生命のオペラが奏でられている。


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1 Comments

Ez  

No title

まあ、人間大丈夫な時は大丈夫。ダメな時はダメだからね。
心配しても悲観してもしょうがない。
もう後戻りできないぎりぎりな時、前を向いて一歩踏み出せるかどうか。気合を入れて前を見ることが出来るかどうかが、分かれ道。
まして自分の事なら自分次第だよ。
これが自分以外の事や子供の事となるとそうはいかないからね。
今は自分の体力や内なる力を信じて乗り切ってください!
病気は予定通りにはならないから一喜一憂するだけ損だしね
その時々、今できることをするだけだよ。
と、かっこいいことを言ってみる(笑)

2013/12/08 (Sun) 04:07 | EDIT | REPLY |   

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